こんにちは、RESCUE4thです。
2020年1月24日、政府の地震調査委員会が将来30年以内に80%の確率で発生する「南海トラフ地震」の際に起きる大津波の危険性を地域別に確率で示したものを初めて公表という記事を書きましたが、実はもうひとつ「長期評価による地震発生確率値の更新」も発表されていました。
それによると日本各地の活断層による地震や海溝型地震による地震の発生確率はかなりの細かさで調査研究されており、この報告書からだけでも…日本の未来は、地震だらけ〜という暗い気持ちにさせられてしまいます。
今回の更新によって宮城県沖地震が30年以内に60%と引き上げられていますが、表をよくみるとすでに30年以内に80〜90%の確率で地震が起こることが予想されている地域は多数あります。
長期評価による地震発生確率値の更新
報告書から抜粋してみました。
水色の枠で囲んでいる箇所がこれまでに発表された数値から変化があったものです。宮城県沖の 陸寄りの地震 (宮城県沖地震)が水色になっていますね。
ただよくみるとわかりますが、数値がかわっていないもののマグニチュード7以上の地震が30年以内に80%から90%の確率で発生する箇所が実に多いことがわかります。
領域または地震名 | 長期評価で予想した 地震規模 (マグニチュード) |
地震発生確率 | ||
10年以内 | 10年以内 | 10年以内 | ||
根室沖 | 7.8~8.5程度 | 20%程度 | 80%程度 | 90%程度 以上 |
十勝沖・ 根室沖 | 7.0~7.5程度 | 40%程度 | 80%程度 | 90%程度 |
色丹島沖・ 択捉島沖 | 7.5程度 | 50%程度 | 90%程度 | 90%程度 以上 |
青森県東方沖及び岩手県沖北部 | 7.0~7.5程度 | 70%程度 | 90%程度 以上 | 90%程度 以上 |
宮城県沖 | 7.0~7.5程度 | 50%程度 | 90%程度 | 90%程度 以上 |
茨城県沖 | 7.0~7.5程度 | 40%程度 | 80%程度 | 90%程度 |
相模トラフ | 7程度 (6.7~7.3) | 30%程度 | 70%程度 | 80%程度 |
南海トラフ | 8~9クラス | 30%程度 | 70%~80% | 90%程度 |
日向灘 | 7.1前後 | 30%~40% | 70%~80% | 80%~90% |
この相模トラフがいわゆる首都直下地震です。
南海トラフはさらに東海・東南海・南海・日向灘と連続して発生する可能性もあるといわれています。
これだけの調査研究ができている政府ですが、その対策といえば[自助・共助・公助]とするだけで、人の命を守ることはもちろん大事なことですが、国家としての存亡に関わる大災害が予想される昨今、自衛隊が災害派遣として被災地(すでに災害に遭遇している)への救助活動は大切ですが、この先は国家として[国を守る防災]を考える時代なのかもしれません。
長期評価による地震発生確率値の更新について
https://www.static.jishin.go.jp/resource/evaluation/long_term_evaluation/updates/prob2020.pdf
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関連リンク
- M7.4宮城沖、30年内60%に引き上げ 「いつ起きてもおかしくない」地震調査委|河北新報
- 地震本部 地震に揺らがない国にする – 政府 地震調査研究本部
- 長期評価による地震発生確率値の更新について – 政府 地震調査研究推進本部 地震調査委員会
かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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