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防災庁、発足

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― 所属政党は変わっても、防災はご専門でした ―

2026年11月2日、政府の災害対応の司令塔となる「防災庁」が発足しました。

内閣直属の新しい庁が生まれるのは、2021年9月のデジタル庁以来です。これまで内閣府の一部門だった防災担当を独立させ、定員はこれまでの220人から352人へ、約1.6倍に増強されました。トップは内閣総理大臣、事務を統括する防災大臣には細野豪志氏が就きました。

このサイト「自然災害レスキュー」にとっても、久しぶりの更新が、この大きなニュースになりました。

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防災庁は何をするのか

防災庁の仕事は、災害が起きてからの対応だけではありません。

平時の備えである「事前防災」から、発災時の対応、被災者支援、復旧・復興までを、一貫して担うとされています。

組織は4つの部門で構成されます。

  • 総合政策 ― 予算や広報、防災施策の基本方針
  • 災害事態対処 ― 大規模災害への対応、訓練、人材育成
  • 防災計画 ― 事前防災の推進、被害を減らすための計画
  • 地域防災 ― 被災者支援の体制づくり、防災教育

大きな特徴が、防災大臣に与えられた各省庁への「勧告権」です。勧告は命令ではありませんが、受けた省庁には尊重する義務があります。避難所ひとつ取っても、学校施設は文部科学省、物資輸送は国土交通省、医療は厚生労働省と分かれていた縦割りを、司令塔が横につなぐための仕組みです。

さらに、地方機関として「防災局」が置かれます。南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝地震への対応を想定したもので、設置場所は2027年夏に決められ、2028年7月までに設置される方針です。人材育成のための「防災大学校(仮称)」の設置も打ち出されています。

発足初日の「緊急要請」

発足初日、防災庁は関係省庁や自治体、そして国民に向けて、防災対策の推進を求める「緊急要請」を出すことになっています。

国民への要請の柱は、備蓄です。

水や食料、携帯トイレを、少なくとも3日分、できれば1週間分、用意していただきたい。

これは、何か差し迫った災害の情報があるからではありません。細野大臣もその点は強調しています。大規模災害では公助が届くまでに時間がかかります。自分で自分を支えられる人が増えれば、本当に支援が必要な人に支援を絞ることができる――「自助」をあらためて呼びかけるための要請です。

今日をきっかけに、自宅の備蓄を一度点検してみてはいかがでしょうか。

  • 飲料水(1人1日3リットルが目安)
  • 食料(ローリングストックで無理なく)
  • 携帯トイレ
  • 懐中電灯、モバイルバッテリー、ラジオ
  • 常備薬

細野大臣はこんな方

初代の防災大臣を担う細野豪志(ほその・ごうし)氏は、1971年8月21日生まれ、京都大学法学部卒業。2000年に衆議院議員に初当選し、現在の選挙区は静岡5区。御殿場市、裾野市、小山町、三島市、富士市の一部などを含み、当選10回です。

いまの担当は、復興大臣、内閣府特命担当大臣(防災)、福島原子力発電所事故再生総括担当、防災庁設置準備担当、国土強靱化担当、国際防災協力担当と6つにわたります。

防災との関わりは古く、東日本大震災のあった2011年には、原子力防災などを担う内閣府特命担当大臣や環境大臣を歴任しました。所属政党は民主党、民進党、希望の党、無所属を経て、2021年11月に自由民主党へ入党しましたが、災害対応に関わる経歴は一貫しています。所属政党は変わっても、防災はご専門でした。

自民党では南海トラフ地震・富士山噴火対策委員長も務めていました。富士山噴火が、国難級の災害の一つとして名指しされる時代です。富士山を望むこの地域にとっても、防災庁の動きは他人事ではありません。

庁ができた、で終わらせないために

防災庁ができたからといって、災害が減るわけではありません。司令塔はあくまで「国」の備えです。

国が事前防災を掲げるのなら、私たち一人ひとりも、備蓄と避難の確認という形で応えることができます。防災庁の発足を、ニュースとして眺めて終わるのではなく、自分の備えを見直す日として記録しておきたいと思います。


参考・出典

※数値・役職は2026年11月2日時点の報道・公表資料に基づきます。

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