【解説】地震のマグニチュード その大きさはどのように決まる?
地震はどうして起こるのか、そして地震のニュースで必ず出てくる「マグニチュード」という言葉の意味と計算方法は。日本テレビ社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■4月11日週の地震は――
4月11日の週、国内では震度1以上の地震が37回発生しました。2週前は震度4の地震が6回もありましたが、それに比べると先週は、地震回数の少ない1週間でした。
▼15日 午前3時25分頃
福島県沖を震源とするマグニチュード4.3の地震があり、福島県楢葉町(ならはまち)で震度3を観測しています。福島県沖の地震活動は、震度6強の地震があった先月以降、徐々に減少していますが、引き続き備えをお願いします。
■熊本地震から6年
熊本地震から6年が経過しました。熊本地震は2016年4月14日に「前震」とよばれる地震があり、そのわずか2日後に、さらに規模の大きなマグニチュード7.3の「本震」が発生した地震でした。2回とも震度7を観測。家屋の倒壊や大規模な土砂崩れが発生するなど、大きな被害が出ました。
この熊本地震は、熊本県の真下をほぼ東西方向に走る「布田川断層帯」と「日奈久断層帯」の2つの活断層が動いたことによるものです。
活断層地震の発生間隔が1000年から2000年とも言われていますが、熊本地震をおこした活断層には動いていないとされる部分や周囲にも断層があるため、引き続き注意が必要です。
■「マグニチュード」に注目
地震のニュースで出てくる「マグニチュード」に注目します。地震は地下にある岩盤が破壊されたり、断層がずれたりすることで発生します。地震の規模を示すマグニチュードは、この断層が動いた距離や範囲で決まります。
マグニチュード3の地震では、ずれ動く断層の距離はおよそ500メートルになります。マグニチュード6になると破壊される断層の距離はおよそ10キロ。東京駅から西へ、世田谷区の三軒茶屋あたりまでのエリアの断層が破壊されると、マグニチュード6程度の地震を引き起こします。
■マグニチュード8では――
さらにマグニチュード8になると、破壊される断層の長さは、およそ100キロにもなります。東京駅から富士山のあたりまでの距離です。マグニチュード8の巨大地震では、複数の県にわたるほど断層が破壊されるため、強い揺れとなり揺れの時間も長くなります。2011年の東日本大震災、仙台市では震度5弱以上の揺れが2分近く続きました。
■大きな揺れでも津波にも注意を
地震の専門家・草野さんは次のように指摘しています。「大きな揺れが続いている間、身を守る行動に加えて、海岸の近くに住んでいる人は津波にも注意しなければなりません。発生が想定されている南海トラフの巨大地震では、地震発生から5分もたたないうちに津波が来襲する所が多くあります」
大きな地震では、強い揺れの時間が長く続きます。揺れに対して身の安全をはかるとともに、海岸近くの人は津波からの避難行動をあわせてお願いします。
(2022年4月18日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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