災害小説『日本沈没』から何を学べるのか。 NHK Eテレ「100分de名著」小松左京スペシャル

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100分de名著

100分de名著 ©NHK

NHKのEテレ「100分de名著」の令和元年(2019年)7月8日の第2回目は第2回『滅びとアイデンティティ ~「日本沈没」~』だった。日本の文学史/文芸誌の中で、最初の災害小説といってもいいかもしれない。地球のマントルの影響による日本列島そのものが海中に水没してしまう。その時政府は、メディアは、国民は…。そして日本という国土を消失したら日本人とは何なのか、そのアイデンティティはどこにあるのか…といった壮大な物語である。

作品が発表された1973年。その3年前の1970年に小松左京は「人類の進歩と調和」をテーマにした大阪万博(大阪万国博覧会)の総合プロデューサーを務めている。日本は戦後の高度経済成長がおわり、田中角栄の日本列島改造もスローダウン、浅間山の噴火、ノストラダムスの大予言など、世の中全体が「不安」に襲われ始めた時代だったという。そのような社会状況の中で、この『日本沈没』は出版され470万部という大ベストセラーになった。

ゲスト 宮崎哲弥
司会 伊集院光 、安部みちこ
朗読 田中哲司
出演 中村優子

100分de名著『小松左京スペシャル』放送予定

  • 第1回 原点は「戦争」にあり ~「地には平和を」~
    2019年7月1日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
    再: 2019年7月3日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
    再: 2019年7月3日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ
    NHKオンデマンド[リンク
  • 第2回 滅びとアイデンティティ  ~「日本沈没」~
    2019年7月8日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
    再: 2019年7月10日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
    再: 2019年7月10日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ
  • 第3回 深層意識と宇宙をつなぐ ~「ゴルディアスの結び目」~
    2019年7月15日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
    再: 2019年7月17日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
    再: 2019年7月17日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ
  • 第4回 宇宙にとって知性とは何か ~「虚無回廊」~
    2019年7月22日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
    再: 2019年7月24日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
    再: 2019年7月24日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ
    再: 2019年7月29日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
    再: 2019年7月31日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
    再: 2019年7月31日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ

すぐさま東宝により映画化され、主人公である深海調査艇「わだつみ」の操縦士である小野寺俊夫を藤岡弘が、その恋人役をいしだあゆみが、日本列島が沈没することを予言する地球物理学者の田所博士を小林桂樹が演じ、この映画もまた大ヒット作となった。

映画のヒットをうけて、テレビドラマ化もされた。こちらは小野寺を村野武範が、恋人役をゆみかおるが、そして田所博士は映画と同じ小林桂樹が演じた。

さらに映画は2006年にリメイクされ、小野寺を草なぎ剛が、恋人役を柴咲コウが、田所博士を豊川悦司が演じたが、こちらは実はすごいしかけがあった。おそらく樋口真嗣監督だからこそ…なのかもしれないが、最後の最後で日本は沈没しないのだ。

前作の日本沈没では、国土を失い世界各地に避難した日本人はその後どう生きるのか…を問うかたちで終わったのに対して、樋口真嗣監督作品では人間の英知と国際協力とによって日本の沈没を防ぎ、残った日本人による日本国家再建の希望を描くかたちで終わっている。

いま日本各地で発生している規模の大きな地震、規模の小さな地震などを総合すると、この先の日本の国土のゆくえを考えざるを得ない状況にあるのかもしれない。

私たちは、こうした災害映画から何を学び、何を備え、来るべき日に向けてどのような心構えをしたらよいのかを、あらためて考える機会を得ることになる。

 

小松左京原作の『日本沈没』は、第一部完と終了しているが、2006年の再映化がにあわせて『日本沈没 第二部』が谷甲州によって書かれ出版されているので、合わせて紹介します。


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