こんにちは、RESCUE4thです。
30年以内に80%の確率で起こるといわれている南海トラフ巨大地震。その巨大地震が起きたときイメージしながら、その時SNS上にどんな情報が溢れるのかを想像してみたい。
というのも、阪神淡路大震災や東日本大震災の時とは比べ物にならないくらい様々な[被災地からのライブ]が配信されると思っている。もしも現在の4Gの通信インフラではなく5Gの通信インフラになっていたら、ライブ配信だけでなく様々な写真や映像がSNS上にアップされるはずだ。
その時、そしてその後をイメージしながら、私たちは巨大災害発生時にSNSをどのように使えばよいのか考察してみたい。
動機について
南海トラフ地震においては政府や各地方自治体などの災害対策マニュアルなど様々なシミュレーションにもとづく避難計画や対策が取られているのだが、いざその時になって個人が所有するスマートフォンなどの通信デバイスがどのような情報を伝えるだろうか…といった考察を目にすることは少ない。Twitter(ツィッター)、facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、YouTube(ユーチューブ)、LINE(ライン)、TikTok(ティックトック)、17LIVE(イチナナライブ)などが伝える情報、あるいはそのままタイムライン上に残る情報などをイメージすると、巨大災害発生時において私たちはSNSをどのように使えば良いのかを考える機会を得ることになる。
Twitter – 地震で集合してしまうツィッター民
比較的多きな地震が発生すると必ずといってよいほど、Twitterが地震の話題で一種のお祭り状態になることがある。震源地から揺れていることを伝えるツィート、アラームより先に揺れが来た!と自慢げに伝えるツィートなど実に様々だ。
これはたぶん巨大地震が発生し、自分自身がその被災者になることで発信されるツィートがかなりの数になる。ツィッター社は日本においてテレビでとあるアニメーションが放送されるとき、劇中に出てくる破壊の呪文のタイミングで日本から同時にツィートされてもサーバがダウンしないように構築しているという。いわゆる「#バルス祭り」。しかしながら次の巨大地震の際の「ゆれた!」「ゆれてる!」などというツィートはバルス祭りの比ではないかもしれない。
揺れている最中のツィート、揺れがいったん収まった時のツィート(自宅や街中の崩壊状態)が数多く上がってくると予想している。
被災ライブ
巨大災害による被害の状況を伝える写真のアップが増える一方で、動画配信が増えると考えている。YouTubeにおいてはスマートフォンでのLIVE配信ができるようになるには、ログインしているチャンネルのチャンネル登録者数1000人を超えないとスマホでのLIVE配信はできない。なので被災ライブをYouTubeで配信する人は少ないと予想している。むしろLIVE配信に関しては facebook が使われる可能性が高い。スマホのfacebookアプリからのLIVE配信は実に簡単だ。
またfacebookのライブ動画配信ともうひとつ若い世代あたりが17LIVE(イチナナライブ)あたりを使っての動画配信があるのではないかと予想している。
ダイイングメッセージ
タイトルにも書いたことではあるが、次の巨大地震(巨大自然災害)においては、スマホを使った「ダイイングメッセージ」がSNS上に溢れるのではないかと考えている。ライブ配信でなければYouTube動画としてアップロードされるだろうし、LIVE配信であればそのまま自分自身が息を引き取るまでの様子がライブで流れ保存される可能性がある。
どうだろう、ここでイメージしてみてください。
巨大地震が発生した後にのぞくfacebookのタイムラインに友人知人あるいは家族からのダイイングメッセージが表示されている状態を。facebookメッセンジャーでの個人宛のダイイングメッセージというのもあるだろうかむしろ[公開]モードで死にゆく自分を残しておきたい(誰かに伝えたい)と、その瞬間考えはしないだろうか?
妻や夫、子供たちや親などの家族や特定の個人に対してはLINEでダイイングメッセージを伝える人たちもいるだろう。LINEの[トーク]に数多くのダイイングメッセージが並んでいる様子を思い浮かべると、巨大災害の発生を伝えるテレビやラジオなどよりも、衝撃的に生生強い被災地からの被災者による情報が伝えられてくる
5Gが伝えるリアル
今後、現在の4Gの通信環境から5Gの通信環境になったとき、下りの情報量だけでなく上りの情報量…つまりアップロードすることも短時間に大量の情報量を上げることができる。LIVE配信ならまさに今その場所で起きている状況をアップすることも可能だし、長時間のYouTube動画を撮影してもアップロードは数秒になる。
とはいっても、それらはすべて[通信インフラ]が生きている(通信可能な状態)であることが大前提だ。南海トラフ巨大地震では数メートルから数十メートルの津波が数分で襲ってくる場所もある。当然ながら通信インフラも破壊されてしまい、スマホで伝えることもできなくなるだろう。ただ津波が到達して通信インフラを破壊するまでは日常通りに通信ができるのだ。もちろん同時に多数の人たちがアップロードをするとなると完了するまでの時間がかかることも予想されるが、4Gから5Gになった通信インフラで被災者が被災現場から伝え得る生生しいリアルな情報を、私たち自身が精神的に受け止められるだろうか…。そのことがとても心配になります。
備えておくべきこととは…
被災地において特に津波被害にあった地域においては、スマートフォンなどの通信デバイスも海水につかり使用不能になるだろう。かりに発災後に見つけられ回収されたとしても、中身を復活することは絶望的だ。ただ、SNSにアップされた情報はほとんどすべて各社のクラウド上のサーバに保存される。新しいデバイスがあれば、IDとパスワードでアクセスし情報を得たり伝えたりすることができる。
ただ、日常においてもこのSNSのIDとパスワードの管理がちゃんとできている人は実に少ない。
なので、ここで強調しておきたいのは、ネット上で使っている各社様々なサービスに対して登録したIDとパスワードをちゃんと記録し、いざというときに家族や友人などに伝わるようにしておくことだ。日常的にこれをやると家族や友人にアカウントを乗っ取られかねないので、ほんとに非常時になったときだけに伝わるようにしておく。
各社サービス | ||
LINE ID | 電話番号/メールアドレス | パスワード |
GoogleID | ****@gmail.com または 登録したメールアドレス |
パスワード |
AppleID | ****@mac.com ****@me.com ****@icloud.com |
パスワード |
Microsoftアカウント | ****@outlook.jp ****@hotmail.com ****@live.jp など |
パスワード |
Yahoo! ID | ****@yahoo.co.jp | パスワード |
Amazon ID | ||
Twitterアカウント | ||
facebookアカウント | ||
Instagramアカウント | ||
TikTokアカウント | ||
17LIVEアカウント |
これは万が一、スマホが電池切れですぐに充電できない場合やスマホそのものを無くしてしまった場合、あるいは壊れてしまった場合など、自分自身のデバイスが使えなくなった時に、公共施設等のパブリックPCを使って自分自身の無事を伝えることができる。免許証や保険証などまずなくすことがない大事なカードと一緒に、これらの各社サービスのIDとパスワードを記録した小さなカードをあわせて持っていると良いと思う。
まとめ
ということで、次の巨大地震/巨大自然災害の時には、私たちは災害の発生を伝える情報だけでなく、被害にあいいままさに瀬戸際になった人たちからのダイイングメッセージを受け取ることになる。あの人もあの人もあの人もあの人も…みんな死んでしまったのか…的なことをごくわずかな時間の中で受け入れなければならない。
はたしてそんなことができるだろうか。それでも悲しみに溢れるタイムラインをいつの日か私たちは受け入れなければならない状況が訪れようとしている。
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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