【解説】最近の地震は夜の発生が多い? そんなギモンにこたえます
最近の地震は夜に多い?視聴者のそんなギモンを調べて専門家に聞いてみました。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。
■4月25日週の地震は――
4月25日から今月1日まで、国内では震度1以上の地震が34回発生。うち震度3以上の地震が2回、同じ京都府南部でありました。先月25日の午後1時10分頃、京都府亀岡市などで震度3を観測しました。
震源は京都府南部でマグニチュードは4.1、震源の深さは14キロでした。
また、先月30日の午後6時6分頃にも、京都府南部を震源とする地震があり、京都市や亀岡市などで震度3を観測しました。マグニチュードは4.3、震源の深さは12キロでした。この付近では3月31日にも、最大震度4の地震がありました。3月ごろから地震活動が活発になっているとみられています。
浅い場所が震源の地震は、直上では強く揺れることがありますので、注意が必要です。
■ギモン・最近の地震は夜に多い?
この番組は日テレニュース24のほか、YouTubeをはじめネットニュースにも配信していますが、その視聴者の方のコメントが相次いでいるものがありました。「最近の地震は、夜発生しているものが多い気がしますが、何か理由があるのでしょうか」
■最近の大きな地震は夜間に発生――
今年3月に発生した福島県沖の地震、去年10月に東京都の足立区などで震度5強の揺れを観測した地震。この2つの地震は夜に発生した地震でした。
■専門家「特に夜が多いことは無い」
ただ、地震の専門家である、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは、「夜に地震が多いということは無いと思います」ということでした。■過去の100年の地震と発生時間――
過去、およそ100年間の地震の発生時刻を調べてみました。1919年以降、マグニチュード7.5以上、または被害の大きかった地震が、どの時間帯におきたかです。1923年の関東大震災は、ちょうどお昼時に発生しました。昼ご飯の準備などで、火を使っていた人も多く、甚大な火災の被害となりました。
1995年の阪神・淡路大震災は午前6時前の発生で、就寝中の方も多く、家屋の倒壊などによる下敷きによる死者も多かった地震です。
2011年の東日本大震災は、午後2時46分。
熊本地震は2度も震度7を観測しましたが、前震・本震ともに夜間の発生でした。
■地震の発生時刻は偏ってない――
対象とする地震をマグニチュード7以上にしても、どこかの時間帯にすごく偏っているということはありませんでした。地震の専門家、草野富二雄さんは「夜の地震が2回、3回続くと、今後も同じようなことが続くのではないかと不安になり、それが確信のようなものに変わってしまうのではないか」と話しています。
■就寝中は無防備。寝室の備えを――
夜間の地震は私たちにとって就寝中であることが多く、無防備になりやすい。寝室では倒れやすいものを置かない、家具の固定や、できれば部屋の耐震強化などが求められます。夜の地震では突然、飛びおきてベッドなどから転落するなどして、骨折するケガも多くあります。
万が一、地震が発生した時には、まず枕や布団で頭を守って、揺れが収まってから落ち着いて状況を把握して行動することが必要です。
(2022年5月2日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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