【解説】19日に茨城で震度5弱の地震 沖縄でも巨大地震の可能性
先週は茨城県北部を震源とする地震があり城里町で震度5弱の揺れを観測しました。政府の地震調査委員会は先月、沖縄でマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率を90%と公表しました。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。
■4月18日週の地震は――
4月18日の週、国内では震度1以上の地震が34回発生、19日午前8時16分ごろ、茨城県城里町で震度5弱を観測する地震がありました。当初、震源は福島県中通りと発表されていましたが、その後の精査で震源は茨城県北部、福島との県境に近いところでおきた地震ということが分かりました。
この地震のマグニチュードは5.4で震源の深さは93キロでした。
■福島・茨城県境でおきる地震とはー
福島沖では先月も津波を伴う大きな地震が発生しましたが、沖合から陸地の下に沈み込む太平洋プレートの中で発生しました。また福島県の浜通りでは、11年前の東日本大震災の翌月に地下6キロメートルという非常に浅い場所を震源とするマグニチュード7の地震も発生して、その後も地震活動が活発になっています。
今月19日におきた地震は、これらとは全く異なる、太平洋プレートが沈みこんだ深さが90キロくらいの場所になります。地震以降、活動は低調ですが、福島県から茨城県の県境付近では、様々なタイプの地震が起こるため注意が必要です。
それ以外に先週おきた地震は次のとおりです。
▼23日 午前7時46分ごろ 山口県中部を震源とするマグニチュード4.2の地震で山口県山口市、防府市などで震度3を観測しています。
▼24日の夕方には北海道十勝沖を震源とするマグニチュード5.6の地震があり、えりも町、大樹町などで震度3を観測しています。政府の地震調査委員会では、十勝沖を含む千島海溝を震源とするマグニチュード8.8以上の巨大地震の発生確率を7から40%としています。注意しておきたいエリアです。
■海岸付近にある巨大な岩ー
この岩は、「津波岩」と地元で言われています。昔の津波で打ち上げられたと推定されていて、南西諸島にはこうした岩がいくつもあり海岸から少し離れた内陸の高台などの場所にも巨大な岩があります。
■沖縄周辺の過去の地震活動はー
南西諸島での過去の地震活動です。この100年間にマグニチュード7以上の地震が少なくとも10回発生していることが分かっています。「津波岩」を運んだとされるこの1771年4月24日に発生した八重山地震津波もあります。
この地震では沖縄県の先島諸島に最大でおよそ30メートルの高さの津波が押し寄せたとされています、津波による死者・不明者は1万人を超えたのではないかと 伝えられています。
沖縄では東側からフィリピン海プレートが沈み込んでいてプレート境界付近でおこる大きな地震も懸念されます。大陸側にも沖縄トラフと呼ばれる谷状の海底地形があるため、地震活動は活発です。
先月政府の地震調査委員会は、与那国島周辺ではマグニチュード7.0から7.5程度の地震発生確率が今後30年以内で90%と公表しています。
さらにマグニチュード8クラスの巨大地震が起こる可能性があることも指摘しました。
■沖縄で大きな地震が発生しないは間違い
地震の専門家である、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「沖縄地方で大きな地震は発生しない」は間違い。自治体担当者、住民には、改めて防災対策の必要性を認識してほしい」と話しています。
(2022年4月25日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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