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週刊地震ニュース 7/25〜7/31 | 日テレNEWS – 【解説】富士山麓で震度3の地震 桜島噴火警戒レベル5の理由は?

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【解説】富士山麓で震度3の地震 桜島噴火警戒レベル5の理由は?




先月25日には富士宮市で震度3をはじめ短時間で有感地震が相次いだ静岡県東部。その震源は? 爆発的噴火で噴石が2.5キロまで飛散。突然の噴火警戒レベル5への引き上げの根拠と、将来備えるべき「大正大噴火クラス」の噴火とは? 週刊地震ニュース、社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】

■先月25日~31日は震度1以上の地震が38回 震度3以上は4回
先月25日~31日の1週間、国内では震度1以上の地震が38回発生しました。このうち震度3以上の地震は4回ありました。

▼25日午前7時17分ごろ、静岡県東部を震源とする地震がありました。富士宮市で震度3を観測しましたがマグニチュードは3.5、震源の深さは14キロでした。

▼27日午前0時34分頃、岩手県野田村(のだむら)で震度3を観測する地震がありました。震源は岩手県沖、地震の規模はマグニチュード3.8、震源の深さは7キロでした。

▼29日午前8時3分頃、茨城県北部を震源とするマグニチュード4.0の地震では常陸大宮市(ひたちおおみやし)で震度3を観測しました。この地震の震源の深さは56キロでした。

▼29日午後11時すぎ、大分県中部を震源とするマグニチュード2.4の地震があり、豊後大野市(ぶんごおおのし)で震度3となりました。震源の深さは7キロでした。

■25日朝 富士山麓で短時間で有感地震相次ぐ――気になる震源は?
ここ最近の静岡県東部でおきている地震の図です。富士山の直下では東日本大震災直後に地震活動が活発になった場所があります。

一方で今回地震が相次いだのは、富士山から南南西方向に離れた場所です。この付近は富士川河口断層帯という活断層があるエリアになります。
■爆発的噴火で噴石2.5キロ――桜島初の噴火警戒レベル5に レベル引き上げの根拠は?
先月24日の夜、鹿児島県桜島の南岳山頂火口で爆発的な噴火があり、大きな噴石が火口から2.5キロと居住地域に近いところまで飛んだことから気象庁は5段階の噴火警戒レベルを最も高いレベル5に桜島では初めて引き上げました。

これを受け鹿児島市では、桜島の一部住民に避難指示を出しました。その後、大きな噴石を居住地域付近まで飛ばすような噴火の発生は見られず、先週水曜日にレベルが3に引き下げられています。桜島の噴火警戒レベル5は以下のケースで出されます。

▼島の全域に影響するような溶岩の流出や火砕流、大きな噴石の飛散ということがあげられています。過去事例ですと1914年の大正大噴火などがそれに該当します。

▼溶岩流や火砕流が一部の居住地域に到達、迫っている場合ということで1946年の昭和噴火が該当します。

▼居住地域に大きな噴石が飛んだ場合ということで今回2.5キロ付近まで飛んだのが気象庁の監視カメラの映像から分かったため、レベル5の発表になりました。

今回は気象庁が設定した噴石の飛んだ距離の基準でレベル引き上げとなりましたが、地殻変動のデータなどから今すぐに、大正大噴火や昭和の大きな噴火に結びつくものではありません。

■20世紀最大の噴火――「大正大噴火」とは?
桜島の大正大噴火は国内では20世紀に発生した火山噴火では最大規模の噴火と言われています。1914年1月12日に発生した「大正大噴火」は山腹から大量の溶岩や火山灰を出した噴火です。この時は噴火とともに大きな地震も発生しました。

地震については「桜島地震」とも呼ばれていますが、大正大噴火のあった1月12日の夕方にマグニチュード7.1の大地震が発生しています。噴火と連動して発生した地震ですが、震度6程度の揺れになったと思われます。今の鹿児島市街地に被害が集中していたそうです。

さらに大正大噴火では大量の溶岩が出て海を埋め立ててしまったため、当時、錦江湾に浮かぶ島だった桜島が東側の大隅半島とつながる大きな規模の噴火でした。

■今後も活発な火山活動続く桜島――防災行動や備えを改めて確認を
地震や防災の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは――。

桜島は他の火山に比べて観測体制が進んでいて、今のデータから今回の活動がそのまま大正大噴火のような規模の大きなものにつながることはありません。桜島は国内有数の非常に活発な火山なので、今後の大規模噴火に対する備えと防災行動を再確認しておく必要があります。
(2022年8月1日放送)

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