【解説】日本列島地震相次ぐ それぞれの地域の地震の特徴は――日本海側でも津波に警戒
26日夜、熊本で震度5弱の地震が。震度7を2回経験した6年前の熊本地震との関連は? 日本海側・石川能登地方の今後の地震の見通しは? 社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■26日夜・熊本で震度5弱 震度7の熊本地震との関連は――
26日午後9時44分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする強い地震があり、美里町で震度5弱の揺れを観測しました。マグニチュードは4.7、震源の深さ9キロと浅い地震でした。熊本県熊本地方では、2016年4月に震度7を2回観測した「熊本地震」がありましたが、今回の地震は一連の「熊本地震」と同じ活動領域の中で発生したものです。「熊本地震」ではマグニチュード6.5の地震発生から2日後に隣接する別の活断層で、より規模の大きな地震が発生したケースもありました。
気象庁は、揺れの強かった地域では今後1週間程度、震度5弱程度の地震に注意するとともに、さらに強い揺れをもたらす地震発生の可能性もあるとして注意を呼びかけています。
■先週は震度1以上が62回 「震度5強」能登地方では今後も数か月は活動が続く――
▼石川県能登地方では19日に震度6弱の地震がありましたが翌日20日午前10時半頃にも珠洲市で震度5強を観測する地震がありました。マグニチュードは5.0、震源の深さは14キロでした。▼20日、北海道の宗谷地方北部を震源とする地震があり天塩町(てしおちょう)などで震度4の揺れを観測しています。マグニチュードは4.4、震源の深さは10キロと地殻内の浅い場所でおきた地震でした。
気象庁によると能登地方を震源とする地震の回数は、震度5強の地震があった20日は10回発生。翌日以降、数は大きく減っています。
政府の地震調査委員会は、今後の見通しについて「すぐに収束する兆候もみられず一連の地震活動は少なくとも今後数か月は続くのでは」と見解を示しています。
■28日はM7.1「福井地震」から74年。戦後3番目に多い死者数
福井地震は戦後間もない1948年の6月28日に発生しました。内陸の活断層による地震で震源はいまの坂井市付近、マグニチュードは7.1でした。福井県内では3700人以上が亡くなりました。この死者数は「東日本大震災」、「阪神・淡路大震災」についで戦後3番目に多い地震となっています。
■日本海側でもおきている地震や津波による大きな被害
日本海側でおきた主な地震▼1964年 新潟地震
▼1983年 日本海中部地震
▼1993年 北海道南西沖地震
▼2000年 鳥取県西部地震
▼2004年 新潟県中越地震
▼2007年 能登半島地震
▼2007年 新潟県中越沖地震
■日本海側の地震は“早く来る”
日本海側でおきる地震について地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは――「日本海側の地震が震源が浅く、陸地に近い。津波も高いものが早くくることが多い」
太平洋側で発生する地震と比べると、震源が浅いこと、陸地に近い所で発生することなどの理由により、「津波が高くなりやすく」、「津波が陸地に到達するまでの時間が短い」という特徴があります。地震の規模に比べて津波が高くなる傾向があるため、マグニチュード7クラスの地震でも大津波が発生する危険性があります。
日本海側でも、これまで津波による大きな被害を受けています。海岸付近で大きな揺れを感じたら、津波が発生することを思い浮かべ速やかに高台などの安全な場所に避難することが命を守る最善の行動です。
今年3月、政府の地震調査委員会は鳥取から長崎沖の日本海南西部海域にある活断層で、今後30年以内に1メートル以上の津波をおこす可能性があるマグニチュード7以上の地震がおきる確率が、8~13%という評価結果を公表しています。
(2022年6月27日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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