【解説】石川・能登地方で「震度6弱」から一夜明け「震度5強」も…相次ぐ地震そのわけは?
最大震度6弱を観測した地震から一夜明け、再び震度5強の地震が発生した石川・能登地方で、いま何が起きているのか。今後の地震活動と注意点を社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■19日午後・珠洲市で最大震度「震度6弱」
今月19日午後、石川県で最大震度6弱を観測する地震がありました。翌日には同じ石川県で震度5弱の地震が発生しました。▼19日午後3時8分頃、石川県能登半島にある珠洲市で震度6弱の揺れを観測しました。この地震による津波はありませんでした。珠洲市では神社の鳥居やブロック塀が倒れる被害があったほか、震度5弱の能登町でも墓石が倒れる被害がでました。ケガ人も出ています。
▼石川県で震度6弱の揺れを観測するのは2007年の能登半島地震以来のことです。
■2020年から能登半島で地震活動活発化
▼能登半島の先端では、2020年後半から地震活動が活発になっています。去年は1年間で震度1以上の有感地震が70回ありました。今年に入ってから、今月20日の午前9時までに観測された震度1以上の地震は87回と半年間ですでに去年の回数を上回っています。
■原因不明の“群発地震”!場合によっては津波にも注意
気象庁によりますと、能登地方の先端では大きくわけてAからDまでの4つのエリアに地震が集中しているといいます。今月19日と20日の地震がおきたのはどちらもDのエリアになります。時期によって震源の場所がB→C→A→Dと広がっているそうです。特にAとDのエリアの活動が活発になっています。震源が広がっている原因については地下深くで何か水や流体のような物が影響を与えているという仮説などが挙げられていますが、原因はまだ分かっておらず、引き続き、調査が続けられます。
気象庁は記者会見で今後1週間程度は今回と同じ震度6弱程度の揺れの地震に注意するよう呼びかけています。この地震活動がおさまる兆候もみられておらず、この地域にお住まいの方は地震への備えをお願いします。
また19日の震度6弱の地震は陸地の地下が震源でした。仮に海域でマグニチュード6を超えるような地震がおきると津波が発生する可能性もあるので注意が必要です。
■当分の間は震度6弱程度の地震に注意
今回の地震活動について地震の専門家・環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「今月19日の地震はマグニチュード5.4と大きな規模の地震ではなかったが、震源が浅く狭い範囲で震度6弱の激しい揺れとなった。今後も地震活動の活発な期間と、静かな期間を繰り返しながら、しばらくの間続くおそれがあり、今回と同じような強い揺れを伴う地震が発生するおそれがあるので、しばらくの間、揺れへの警戒が必要です」と話しています。地震への備えです。寝室などに倒れやすい家具がないか確認し、倒れやすい家具がある場合は壁に固定するなど自分でできる点検と対策をお願いします。
■先月13日からの週は震度3以上が7回発生
先月13日からの週は国内で震度1以上の地震が40回発生しました。このうち震度3以上の地震は、石川・能登半島の地震を含めて7回ありました。
(2022年6月20日放送)
あわせて読みたい
関連リンク
- 日テレNEWS | YouTubeチャンネル
かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
コメント