【解説】想定死者数6148人 首都直下地震の新たな被害想定から見えること――発災3日後に何が起きる?
今後30年以内70%の確率でせまる首都直下地震。東京都は10年ぶりに被害想定を公表しました。震度7でどんな被害が? 初めて出された災害シナリオとは? 社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■今月23日からの週は震度3以上が6回発生――
今月23日から29日まで、国内では震度1以上の地震が31回発生しました。このうち、震度3以上の地震は6回ありました。▼23日午前8時20分ごろ
徳島県北部を震源とする地震はマグニチュード4.2、震源の深さは39キロ。徳島県美馬市(みまし)などで震度3の揺れに。▼23日午前11時1分ごろ
青森県東方沖を震源とするマグニチュード5.6の地震がありました。震源の深さは24キロ。北海道浦河町(うらかわちょう)や盛岡市で震度3となっています。▼27日午後2時37分ごろ
長野県中部を震源とするマグニチュード3.3の地震がありました。震源の深さ8キロと浅い地震。長野県筑北村(ちくほくむら)で震度3となっています。▼27日午後5時59分ごろ
福島県沖を震源とするマグニチュード4.7の地震がありました。震源の深さは55キロで仙台市青葉区や福島県相馬市などで震度3を観測しました。▼29日午前6時半ごろ
小笠原諸島の父島近海を震源とするマグニチュード4.9の地震がありました。震源の深さは20キロ、小笠原村で震度3を観測しています。▼29日午後3時55分ごろ
茨城県沖で地震があり今期間最大の震度4の揺れとなりました。太平洋プレートと陸のプレートの境界付近でおきた逆断層型の地震でした。■10年ぶりの首都直下地震被害想定見直し、想定震度は――
国も首都直下地震の被害想定を公表していますが、今回は東京都単独の見直しです。前回の公表から10年が経過して、世の中の大きく変化していることをふまえたものになります。一番大きな被害となる「都心南部地震」マグニチュード7.3がおきた場合の想定震度です。23区のおよそ6割で震度6強と経験した事のない激しい揺れになります。江東区など東京湾に近いエリアでは一部震度7の場所もあります。
最悪の場合、死者6148人、けが人9万3435人、建物被害19万4431棟、避難者はおよそ300万人になるということです。
■地震後ナニがおきる? 被害シナリオとは――
電力と下水道、通信では次のようなことがおきる可能性があります。▼電気
地震発生後、広範囲で停電が発生、場合によっては計画的に停電させることも。3日後には少しずつ停電が解消されますが、首都圏にある火力発電所などに被害があった場合には、電力供給不足が続くことに。▼下水道
直後は地震の激しい揺れで排水管が壊れ、トイレが使えなくなることも。3日経過すると、マンションなどでは水をくみ上げる発電機の燃料が枯渇することで、水洗トイレが使えなくなることもあります。▼通信
直後から停電発生によってスマホの電池がなくなり、家族などとの連絡が取れなくなる心配があります。Wi-Fiも電源がなくなることで使えなくなることも。■災害時におきる出来事をイメージして備えを考えよう――
地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは――「一般的な被害想定は災害の様子を数字で表しているが具体的にイメージしづらい。時間経過と共に起こる出来事を知ると、どのような備えが必要かを考えやすくなる」
今回公表された災害シナリオは東京都の防災ホームページで見ることが出来ます。今回の想定を参考にして簡易トイレや予備の携帯充電池の確認をするなどしてほしいと思います。
(2022年5月30日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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