【解説】神奈川東部で震度3…特徴は? マグマの動きをとらえて群発地震の活動を予測
9日夜、神奈川県東部を震源とする地震があり、川崎市で震度3を観測しました。神奈川でおきる地震の特徴は?
伊東の海底噴火から33年、群発地震の原因となっているマグマの動きをとらえて活動を予測する動きも。社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。
■神奈川で震度3も 先週は震度1以上の地震が34回
▼5日夕方、午後5時52分頃、北海道浦河町(うらかわちょう)などで震度3を観測する地震がありました。震源は日高東部、マグニチュードは4.9、震源の深さは53キロでした。▼6日午前5時10分頃、仙台市や岩手県北上市(きたかみし)などで震度4を観測する地震がありました。震源は宮城県沖でマグニチュード5.4、震源の深さは63キロでした。
■神奈川東部を震源とする地震 首都直下地震の関連は
9日午後7時10分頃、神奈川県東部を震源とする地震では、川崎市で震度3の揺れを観測しています。マグニチュードは3.6、震源の深さは33キロでした。神奈川県内の地震活動は大きく分けると、東部(東京都境付近)で発生する地震と、西部(山梨、静岡県境付近)で発生する地震があります。
今回の地震は東部で発生したもので、この付近では過去に2008年と2016年にマグニチュード4.6の地震が発生し、いずれも最大震度4を記録しています。
地震の専門家は、今回の地震が首都直下地震につながるようなことはないと思われると話します。ただ、足下の浅いところで起こる地震なので、日頃から揺れには注意してください。
■伊東市沖で突然、海底噴火
1989年の7月13日、伊豆半島の東側にある静岡県伊東沖では突然、海面が盛り上がり噴煙などが吹き上がりました。海底火山の噴火です。伊東の海岸から、わずか3キロ沖合でおきた出来事でした。
■約30年の間に「群発地震」49回 原因は地下からのマグマの上昇
伊東市の沖合では、1978年頃から1998年ごろにかけて、毎年のように群発地震が発生していた。2000年代に入っても2011年まで2、3年に1度程度の割合でおきていました。群発地震の活動は合計49回にものぼります。群発地震の中心は伊東市の沖合で、北西から南東方向にかけて深さ数キロという、浅い場所を震源とした地震です。
伊豆半島東部は、周辺には周期的に噴火を繰り返す伊豆大島・三原山、北側には箱根や、富士山などもある火山帯に位置します。
地下深くにあるマグマが、何らかのタイミングで岩盤を押し広げながら上昇、岩盤に押し広げられる力が加わり、地震を頻発させると考えられています。
■マグマの動きから地殻変動をキャッチ!「群発地震」の活動を予測?
マグマ上昇をとらえるには「体積ひずみ計」という観測機器を使います。「体積ひずみ計」は地下数百メートルの埋設されて観測をおこないます。
「体積ひずみ計」では、群発地震の原因となる地下深くのマグマが、伊豆半島の東側で浅い場所に上昇してくると地下の岩盤を押し広げたりするためデータに変化があらわれます。■ひずみ変化量と地震の回数は比例?変化量からマグマの上昇量を推定し今後の「群発地震」を予測する
東伊豆の奈良本に設置された、ひずみ計のデータです。ひずみデータが変化して右下に下がり始めると、直後に地震の回数が増加し始めることが分かっています。気象庁はこのひずみの変化量から、地下に入ってきたマグマ量も推定して「伊豆東部の地震活動の見通しに関する情報」を発表します。
内容は、
▼活動期間中に発生する最大規模の地震のマグニチュード
▼その地震による伊東市における震度
▼伊東市において震度1以上を観測する地震の回数
▼地震活動が活発な期間の長さこのような内容を発表して、群発地震への注意喚起をおこないます。
この情報は2011年以降、群発地震の発生が止まったため、一度も発表されたことはありません。
■2011年を最後に突然、群発地震活動が低調に
突然、群発地震が起きなくなった理由について地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「東日本大震災による影響でマグマの通り道が閉ざされたのではないか。ただし明確な理由は不明」と話しています。はっきりとした理由は分かっていませんが、伊豆東部の地震活動は市街地にかなり近い場所で発生し、マグマが関与する活動です。
ひとたび活動が始まると影響も大きく、1989年のように噴火にまで至った場合、居住地域に大きな影響を出すこともありますので十分注意が必要です。
(2022年7月11日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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