スポンサーリンク

週刊地震ニュース 8/29〜9/4 | 日テレNEWS – 【解説】動画で見る地殻変動データ25年分 押され続け無理がたまっているところは?

スポンサーリンク
スポンサーリンク

【解説】動画で見る地殻変動データ25年分 押され続け無理がたまっているところは?




4枚ものプレートがひしめき合う日本。海からのプレートに押され続け生き物のようにうごめいています。地面の動きを衛星を使ってミリ単位で観測しつづけた25年分のデータを動画にすると、発生が切迫しているとされる巨大地震の姿が見えてきます。社会部災害担当の中村洋介デスクが解説します。

■千葉で震度3 震源はプレート境界
先週、国内では震度1以上の地震が34回発生。

▼3日午前5時24分、千葉県北東部ではマグニチュード4.1、震度3を記録する地震が発生。ここ数年マグニチュード5クラスの地震が度々発生しているエリアで震源の深さは32キロ。海から押し寄せているフィリピン海プレートと、陸側のプレートの境界付近でおきた地震でした。

■プレート境界地震とは

▼世界中で2020年までの10年間に発生した地震を赤くプロットすると、世界がいくつかの区画に分かれたように見えます。区画の一つ一つはプレートと呼ばれ、地球の中からわき上がって表面をうごめく岩盤です。プレートは動いていて、それらがぶつかり合う境界で地震が多発しているのが分かります。そして日本の目の前では4枚ものプレートがひしめき合っていて地震が非常に多発しています。
日本の状況を詳しく見ると、南から2枚のプレートが迫ってきて陸側のプレートを押し、その下に沈み込んでいます。そのため日本のあちこちに多くの力が溜まり続けていて、これ以上は無理というところまで力が溜まると地盤がズレて地震が起きるわけです。
こちらは今年3月16日、福島県沖でマグニチュード7.3の地震が発生し、最大震度6強を記録した際の気象庁の発表資料です。東日本大震災以降、この地域での地震が多くなっています。図中にある長方形を深く切り出して地盤を横から見ると、震源の分布はこの様に見えます。
この図は「断面図」と呼ばれています。東北地方がのっている陸側のプレートの下に海から押し寄せる太平洋プレートが沈み込んでいて、まさにその姿が浮かびあがっています。押し込まれた陸側のプレートが限界に達し2011年3月11日に跳ね返りました。これが東日本大震災でした。

地震の発生時期を言い当てることはできませんが、プレート同士の押し合いによってうごめく日本国土の動きを細かく観測し続けて、高まりつつある発生リスクを少しでも読み取ろうという努力が続けられています。
その1つがGNSSという観測システムです。衛星を使って地面の動きをミリ単位で読み取る技術で、電子基準点と呼ばれる観測装置が全国に1318個も設置されています。

電子基準点がとらえたこの25年間の日本各地の地面の動きを動画にすると、日本のうごめきがよくわかります。
西方向への変動を青矢印で、逆に東方向への変動を赤矢印で示しています。

日本列島は常に海側から押しこまれているため、全体として北西方向に移動を続け、青い矢印が伸びつづけますが、2003年9月26日、北海道で十勝沖地震が発生。マグニチュードは8.0。最大震度は6弱。押され続けた陸のプレートが跳ね返り、北海道の南部が南東方向に大きく動いたことが赤い矢印で示されています。襟裳岬に近い電子基準点は、南東方向におよそ95センチ動いていました。
2011年3月11日、東北地方から東方向に赤く長い矢印が突き出しました。東日本大震災です。

限界に達した東北地方をのせた陸側のプレートが、溜まった無理な力を解放しこのように跳ね返り激しい地震を起こしました。宮城県の牡鹿半島は東に5.3メートルも移動しました。

この動画のデータは25年間分と限られてはいますが、それでも海側のプレートに押され続けながら、無理な力をまだ解放できていないところはどこか、分かりやすいのです。

今、国がプレート境界型の巨大地震発生が切迫しているとしている地域が2つあり、それはこの図中に青矢印が多く示されているところです。

・日本海溝・千島海溝周辺:今後30年以内に60%など
・南海トラフ:今後40年以内に90%

GNSSのデータは国土地理院のHPに公開されています。

https://mekira.gsi.go.jp/movie/crustal_movement.mp4

プレートの動きによって生じる日本各地のうごめき、皆さんも見てみてください。
(2022年9月5日放送)

あわせて読みたい

週刊地震ニュース 8/22〜8/28 | 日テレNEWS - 【解説】「地震情報」“自動”ではなく最後は“人の手”で…
【解説】「地震情報」“自動”ではなく最後は“人の手”で… 地震が発生した時、私たちが受け取る「地震情報」。すべて自動で発表されているのではなく、“人の目”で最終確認をして発表の判断がされています。どう作成・発表されているのか?社会部災害担当...
週刊地震ニュース 8/15〜8/21 | 日テレNEWS - 【解説】西之島の火口に赤色の池が 地震と火山の“深い関係”
【解説】西之島の火口に赤色の池が 地震と火山の“深い関係” 先月末に撮影した、小笠原諸島の西之島の最新映像では火口に赤色の池が-地震と火山の深い関係は? 社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】 ■15日からの1週間...
週刊地震ニュース 8/8〜8/14 | 日テレNEWS - 【解説】わずか20分でM5クラスの地震相次ぐ 8月に入って地震続く北海道北部
【解説】わずか20分でM5クラスの地震相次ぐ 8月に入って地震続く北海道北部 8月11日未明に北海道北部でマグニチュード5クラスの地震が相次いで発生し、震度5強と5弱の揺れとなりました。この地域では4日にも震度4の地震がおきています。地震の...
週刊地震ニュース 8/1〜8/7 | 日テレNEWS - 【解説】宗谷北部で震度4の地震震源の深さ7キロの浅い地震 活断層との関連は
【解説】宗谷北部で震度4の地震震源の深さ7キロの浅い地震 活断層との関連は 4日未明に北海道・幌延町で震度4のやや強い地震が発生。その後も震度3の地震が相次ぎました。震源の深さは7キロと浅い地震。近くにある活断層は?社会部災害担当・中濱弘道...
週刊地震ニュース 7/25〜7/31 | 日テレNEWS - 【解説】富士山麓で震度3の地震 桜島噴火警戒レベル5の理由は?
【解説】富士山麓で震度3の地震 桜島噴火警戒レベル5の理由は? 先月25日には富士宮市で震度3をはじめ短時間で有感地震が相次いだ静岡県東部。その震源は? 爆発的噴火で噴石が2.5キロまで飛散。突然の噴火警戒レベル5への引き上げの根拠と、将来...
週刊地震ニュース 7/18〜7/24 | 日テレNEWS - 【解説】震源から遠く離れているのに揺れる!? 「深発地震」と「異常震域」の関係性
【解説】震源から遠く離れているのに揺れる!? 「深発地震」と「異常震域」の関係性 震源から遠く離れている場所が揺れる現象。 これには「震源の深さ」が関係していた? 社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。 ■18日~24日は震度1以上の地...
週刊地震ニュース 7/11〜7/17 | 日テレNEWS - 【解説】"震度"と"マグニチュード"の違いは?
【解説】"震度"と"マグニチュード"の違いは? ■11日~17日は震度1以上の地震が26回も、震度3以上は0回 今月11日から17日の1週間、国内では震度1以上の地震が26回発生しました。このうち震度3以上の地震は一度も発生しませんでした。...
週刊地震ニュース 6/27〜7/3 | 日テレNEWS - 【解説】衛星を使い地面の動きを”ミリ単位で追尾” 今の地震と次の地震の姿は?
【解説】衛星を使い地面の動きを”ミリ単位で追尾” 今の地震と次の地震の姿は? 発生が切迫しているとされる南海トラフ巨大地震。引き金となる国土のうねりが一目瞭然で見えるGNSS。群発地震が発生している能登半島でも特殊な変動を観測。社会部災害担...
週刊地震ニュース 6/20〜6/26 | 日テレNEWS - 【解説】日本列島地震相次ぐ それぞれの地域の地震の特徴は――日本海側でも津波に警戒
【解説】日本列島地震相次ぐ それぞれの地域の地震の特徴は――日本海側でも津波に警戒 26日夜、熊本で震度5弱の地震が。震度7を2回経験した6年前の熊本地震との関連は? 日本海側・石川能登地方の今後の地震の見通しは? 社会部災害担当・中濱弘道...
週刊地震ニュース 6/13〜6/19 | 日テレNEWS - 【解説】石川・能登地方で「震度6弱」から一夜明け「震度5強」も…相次ぐ地震そのわけは?
【解説】石川・能登地方で「震度6弱」から一夜明け「震度5強」も…相次ぐ地震そのわけは? 最大震度6弱を観測した地震から一夜明け、再び震度5強の地震が発生した石川・能登地方で、いま何が起きているのか。今後の地震活動と注意点を社会部災害担当・内...
週刊地震ニュース 6/6〜6/12 | 日テレNEWS - 【解説】家族4人で水76リットル!?首都直下地震後に必要な備蓄品の量は?
【解説】家族4人で水76リットル!?首都直下地震後に必要な備蓄品の量は? 今後30年以内の発生確率が70%の首都直下地震。増加する高層マンションで必要な備蓄品は?備蓄量は?社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】 ■...
週刊地震ニュース 5/30〜6/5 | 日テレNEWS - 【解説】日本の「耐震基準」が変わった"宮城県沖地震"から44年
【解説】日本の「耐震基準」が変わった"宮城県沖地震"から44年 “都市型災害”といわれる「宮城県沖地震」の発生から今月12日で44年となります。日本の「耐震基準」を変えるきっかけになったこの地震はどんな被害の特徴があるのか?今後の地震活動は...
週刊地震ニュース 5/23〜5/29 | 日テレNEWS - 【解説】想定死者数6148人 首都直下地震の新たな被害想定から見えること――発災3日後に何が起きる?
【解説】想定死者数6148人 首都直下地震の新たな被害想定から見えること――発災3日後に何が起きる? 今後30年以内70%の確率でせまる首都直下地震。東京都は10年ぶりに被害想定を公表しました。震度7でどんな被害が? 初めて出された災害シナ...
週刊地震ニュース 5/16〜5/22 | 日テレNEWS - 【解説】海外からの"津波" 現在の対策は?
【解説】海外からの"津波" 現在の対策は? 22日昼頃、関東・東北地方で緊急地震速報が出される強い地震がありました。震源の茨城沖は地震活動が活発なエリアですが、今回は浅い場所が震源の珍しい地震でした。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解...
週刊地震ニュース 5/9〜5/15 | 日テレNEWS - 【解説】3月末から相次ぐ地震 活断層との関係は?
【解説】9日に与那国震度3 与那国・台湾周辺で相次ぐ大地震 将来M8の可能性も指摘 9日には沖縄・与那国町でも震度3の地震がありました。周辺は地震活動が活発なエリア。将来、マグニチュード8の可能性を指摘する専門家も――警戒すべき点について、...
週刊地震ニュース 5/2〜5/8 | 日テレNEWS - 【解説】3月末から相次ぐ地震 活断層との関係は?
【解説】3月末から相次ぐ地震 活断層との関係は? 大型連休、中盤から後半にかけての期間は震度3以上の地震が8回発生しました。京都では震度4の地震も。京都南部では3月末から地震が増加しています。京都は活断層の多くありますが関連は?社会部災害担...
週刊地震ニュース 4/25〜5/1 | 日テレNEWS - 解説】1最近の地震は夜の発生が多い? そんなギモンにこたえます
【解説】最近の地震は夜の発生が多い? そんなギモンにこたえます 最近の地震は夜に多い?視聴者のそんなギモンを調べて専門家に聞いてみました。社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。 ■4月25日週の地震は―― 4月25日から今月1日...
週刊地震ニュース 4/18〜4/24 | 日テレNEWS - 解説】19日に茨城で震度5弱の地震 沖縄でも巨大地震の可能性
【解説】19日に茨城で震度5弱の地震 沖縄でも巨大地震の可能性 先週は茨城県北部を震源とする地震があり城里町で震度5弱の揺れを観測しました。政府の地震調査委員会は先月、沖縄でマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率を90%と...
週刊地震ニュース 4/11〜4/17 | 日テレNEWS - 解説】地震のマグニチュード その大きさはどのように決まる?
【解説】地震のマグニチュード その大きさはどのように決まる? 地震はどうして起こるのか、そして地震のニュースで必ず出てくる「マグニチュード」という言葉の意味と計算方法は。日本テレビ社会部災害担当キャップ・中濱弘道記者が解説します。【週刊地震...
週刊地震ニュース 4/4〜4/10 | 日テレNEWS - 【解説】南海トラフとの関連は?各地で震度4が6回
【解説】南海トラフとの関連は?各地で震度4が6回 今月4日から10日の1週間に震度1以上の地震は50回ありました。うち震度4は6回も。地震が多いと感じている人が多い中、愛知県東部の地震は南海トラフ巨大地震の震源想定域が震源でした。メカニズム...
週刊地震ニュース 3/21〜3/27 | 日テレNEWS - 首都直下地震の想定震源で何が起きているのか!!
【解説】各地で震度4の地震相次ぐ 都心地下は地震の巣『週刊地震ニュース』 先週も震度4の地震が相次ぎました。先月31日には千葉市で震度4の地震があり震源は東京湾でした。将来、首都直下地震発生が心配される中、この地震との関連は?備えは?ここ最...
週刊地震ニュース 3/21〜3/27 | 日テレNEWS - 能登半島,福島県沖,十勝地方南部を震源とする地震に注意
こんにちは、RESCUE4thです。 YouTube動画にはたくさんの自然災害に関する情報がアップロードされています。それらをピックアップしながらいつか来てしまう日に向けて準備を怠らない努力を続けていきましょう。 【解説】大津波の恐れも…最...

関連リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました