【解説】西之島の火口に赤色の池が 地震と火山の“深い関係”
先月末に撮影した、小笠原諸島の西之島の最新映像では火口に赤色の池が-地震と火山の深い関係は? 社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■15日からの1週間、震度1以上の地震は36回、福島県沖を震源とする地震では震度4を観測
今月15日から21日までの1週間、国内では震度1以上の地震が36回ありました。このうち震度3以上の地震は5回発生しました。▼15日午後7時56分頃、鳥取県倉吉市(くらよしし)で震度3を観測する地震がありました。この地震の震源は鳥取県中部でマグニチュードは3.7、震源の深さは11キロでした。
▼16日午後6時54分頃、北海道の上川地方北部を震源とする地震があり、中川町(なかがわちょう)と天塩町(てしおちょう)で震度3の揺れに。マグニチュードは4.2、震源の深さは、ごく浅い地震でした。この付近では11日に震度5強の地震があり、その後も地震活動が活発になっています。
▼18日は午後に地震が相次ぎました。午後1時07分頃に千葉県東方沖でおきた地震のマグニチュードは5.0で、茨城県神栖市(かみすし)や千葉県銚子市(ちょうしし)などで震度3に。
午後2時46分に福島県沖でマグニチュード5.2の地震があり、石巻市や相馬市などで震度4となっています。
午後4時11分には沖縄県の本部町(もとぶちょう)と恩納村(おんなそん)で震度3となりました。この地震の震源は沖縄本島近海で、マグニチュードは4.4、震源の深さは44キロでした。
■2013年に噴火。その後もすくすく成長した西之島では火口に“赤い池”
先月31日に日本テレビが撮影したのは、東京都心からおよそ1000キロ、絶海の孤島、小笠原諸島の西之島です。山肌からは水蒸気があがっています。火口の中心部には赤い色の水たまりが出ていました。雨などが降って出来たものと思われますが、火山ガスや岩石の鉄分が溶け込み、赤くなった可能性があるということです。火口に水たまりが出来るくらいですから、現在は噴火活動は落ち着いているとみられます。
現在の島の大きさは約2.9平方キロメートル。東京ディズニーランドとディズニーシーを足した面積のおよそ3倍になっています。
■全国に活火山が111――プレートに並行するように火山が
気象庁が活火山とする山は全国に111あります。北海道、東北地方の火山は千島海溝から日本海溝に「並行」するような形で、伊豆・小笠原諸島の火山も太平洋プレートの沈み込みに沿ってあり、西之島もその1つです。そしてフィリピン海プレートの西側は九州地方の火山が並んでいます。
■地震を引き起こすプレートが沈みこんだその先に“マグマ発生”
プレートを横から見た断面図です。日本周辺では海側のプレートがゆっくりと陸側のプレートの下に沈みこんでいますが、ある深さに達すると海側のプレートから水がしみだしてきます。これよって岩石が溶け出してマグマが出来ます。マグマは周りの岩石よりも軽いた浮力により地上に向かって上昇して、その上には火山が出来ます。
プレートから水がしみだしてくるのはプレート境界の沈みこみから深さが100キロから150キロくらいでみられるため、その上に出来る火山も海溝に平行に連なって帯状に分布しています。このような火山を連ねた線を火山フロントと呼ばれています。
(2022年8月22日放送)
あわせて読みたい
関連リンク
- 日テレNEWS HP https://news.ntv.co.jp
- Facebook https://www.facebook.com/ntvnews24
- Instagram https://www.instagram.com/ntv_news24/?hl=ja
- TikTok https://www.tiktok.com/@ntv.news
- Twitter https://twitter.com/news24ntv
かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
コメント