【解説】宗谷北部で震度4の地震震源の深さ7キロの浅い地震 活断層との関連は
4日未明に北海道・幌延町で震度4のやや強い地震が発生。その後も震度3の地震が相次ぎました。震源の深さは7キロと浅い地震。近くにある活断層は?社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■1日~7日は震度1以上の地震が27回、震度3以上は5回発生
今月1日から7日までの1週間、国内では震度1以上の地震が27回発生しました。このうち震度3以上の地震は5回ありました。▼3日午前8時47分頃、福島県いわき市や田村市などで震度3を観測する地震がありました。震源は福島県沖で震源の深さは33キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.6と推定されます。この地震は陸のプレートの中で発生した正断層型の地震でした。
▼4日午前9時48分頃、福島県沖を震源とするマグニチュード5.6の地震があり、宮城県と福島県の広範囲で震度4や3の揺れとなりました。震源の深さは57キロでした。この地震は東北沖で沈みこむ太平洋プレートの内部で発生した逆断層型の地震でした。
▼6日午後9時23分ごろ、茨城県ひたちなか市と東海村(とうかいむら)で震度3の揺れとなりました。この地震の震源は茨城県沖でマグニチュード5.0、震源の深さは30キロでした。
▼7日午後10時41分ごろには、北海道東方沖を震源とするマグニチュード5.9の地震がありました。震源の深さは30キロ、根室市、羅臼町などで震度3を記録しました。
■宗谷北部の幌延町で震度4 直後にも地震相次ぐ
▼4日午前1時41分頃、震度4を北海道の幌延町(ほろのべちょう)、震度3を天塩町(てしおちょう)で観測するやや強い地震がありました。マグニチュードは4.1、震源の深さは7キロでした。その後も幌延町では午前2時頃に震度3、午前4時30分頃にも震度3を観測する地震がありました。
この付近では今年の6月20日にもM4.4の地震で震度4、2019年には震度5弱の地震も付近でおき、最大の地震は1932年にM5.6という地震がありました。
■宗谷地方のある活断層 「サロベツ断層帯」は最大M7.6の可能性も
この付近には「サロベツ断層帯」という活断層があります。政府の地震調査委員会によりますと、断層の長さは44キロで最大でマグニチュード7.6の地震がおきる可能性が指摘されていますが、最新の活動がいつかなど分かっていない部分も多い断層です。今回の地震と活断層の関係は全く分かりませんが、想定されるマグニチュード7.6というのはかなり強い揺れと大きな被害がでてもおかしくない可能性はあります。
■国内に活断層は約2000も しかし調査が進んでいるのはわずか114断層
地震の専門家、環境防災総合政策研究機構の草野富二雄さんは「日本の陸域にある活断層は約2000。しかし調査が進んで主要活断層として公表されているものはわずか114にすぎない。私たちの足元にはまだ知られていない断層も多いので普段からの地震への備えが必要です」と話します。近年、被害が出た陸域の地震のうち事前に注目されていた114の活断層でおきた地震というのが2016年の熊本地震です。ほかの地震は未知の断層や知られていない断層でおきています。
(2022年8月8日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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