【解説】あなたの町のランクは? 地震時の危険度調査
東京都が大規模な地震がおきた際の建物の倒壊や火災による危険度について調査結果を公表しました。都内5192地域を5段階で評価しています。社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■茨城とトカラ列島で震度3 先週は震度1以上の地震が29回
今月5日から11日までの期間、国内では震度1以上の地震が29回発生しました。うち震度3以上の地震は2回でした。▼9日午後6時55分頃、茨城県水戸市や日立市などで震度3を観測する地震が発生。震源は茨城県北部、マグにチュードは4.5、震源の深さは7キロでした。
▼10日午前11時35分頃、鹿児島県十島村で震度3を観測する地震がありました。この地震の震源はトカラ列島近海、マグニチュードは3.9、深さは15キロでした。トカラ列島の地震は続けておこることが多いため今後の活動に注意が必要です。
■都内の地震危険度調査発表 あなたの住んでいるエリアは?
今回は東京都がおよそ5年ごとにおこなっている、大規模な地震がおきた際、建物の倒壊や火災などの危険度の調査結果についてお伝えします。都内の5192町丁目(市街化区域内)ごとに地震に対する建物倒壊、火災、総合の3つの危険量を測定し危険度として5段階の相対評価にランク分けされたものです。
■建物倒壊危険度は? 揺れやすい23区東部で危険度高く――
建物が倒壊する危険度が高いエリアを示した都内の図では、5段階の色で示しています。危険度が高い地域は東京23区の東部、荒川や隅田川沿いの地域に広がっています。こうした地域は、川の流れによって上流から流れてきた土や砂が堆積してできた土地。地震が発生した場合に、揺れが増して液状化現象がおこりやすい軟弱地盤であるともいえます。さらに、建築から年数が経過した古い建物が多かったり、木造など耐震性が低い建物が多い場所も危険度が高いとされています。一方、丘陵地でも大規模な盛り土がされて造成された場所も揺れやすさという意味では注意が必要になります。
■公表――火災の危険度は? 環状7号線周辺で危険性高く
火災の危険度高いエリアでは、耐火性能が低い木造建物が密集した場所は地震の揺れで発生した火災が燃え広がり、大きな火災につながるおそれがあります。ドーナツ状に広がっていますが、環状7号線の内側に木造密集地域が多くあること、中央線沿線にも多くなっています。東京都などは木造密集地域で、街の再整備事業をおこない、道路を拡幅したり火災の燃え広がりを防ぐために公園などを整備、建て替えてマンションにしたりする事業をおこなっていますが時間や費用もかかります。
今回調査をまとめた都の担当者は、耐震化がされた建物が増加し、道路や公園の整備なども進んで危険度は前回調査に比べて全体的に低下しているとしています。
東京都は今年5月に、10年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直しましたが、都心南部を震源とする地震では23区の大半のエリアが震度6強の激しい揺れに見舞われ大きな被害がでます。以前に比べると死亡する方の数は減ってはきていますが、建物倒壊や火災による被害は深刻です。
いつ起こるか分からない地震に対しては私たち一人ひとりも自分の住む地域の危険度を知り地域の防災訓練への参加や家具転倒防止対策などの個人で出来る日頃からの対応と備えが、いざという時に被害を少なくします。
今回の調査結果、ご自身の住んでいるエリアがどのような危険度があるのか、東京都都市整備局のホームページで確認することができます。
(2022年9月12日放送)
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かつては「ノストラダムスの大予言」で来たるべき日の目撃者となる予定だったが幸いにも恐怖の大王はこなかった。しかし平成に入って阪神淡路大震災や東日本大震災をはじめ数多くの自然災害がこの国を襲い、世界各所においても巨大災害が発生している。また毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による風水害、熱中症による死に至る体調不良が頻発し続ける令和の時代において、自然災害にいかに備えるか。ソフトウェア防災から個人装備品など、自然災害に対して自分でできることは何かを考えながら書き綴ります。
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